
早場米産地の千葉県東庄町で稲刈りが始まった。コメ農家、多田正吾さん方の水田では、たわわに実った県の早生品種「ふさおとめ」をコンバインで収穫した=8月9日千葉県東庄町今郡(城之内和義撮影)【拡大】
関税以外では、投資ルールの明確化や各国の規制緩和で「コンビニの東南アジアでの展開など、海外への日本企業の進出が容易になる」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの中田一良主任研究員)。こうした効果は日本企業の生産性向上や賃上げ、雇用拡大を生み、消費の底上げにもつながるとみられる。
政府はTPP発効に備え、国内環境の整備を急いできた。TPP関連法案には、税関業務のスピードアップや、知的財産の保護強化といった公正なビジネス環境を後押しする内容を盛り込んだ。
産業競争力の強化を見据えた規制改革も進めており、農業改革に関しては、自民党のプロジェクトチーム(委員長・小泉進次郎農林部会長)や政府の規制改革推進会議が、近く一定の結論を出す方向だ。
TPPが発効しなくても欧州連合(EU)や東南アジアの国々などとの間で自由貿易に関する交渉は続いており、自民党の小泉氏は「(TPPのあるなしにかかわらず)日本の農業の危機的状況は変わらない」として、改革を進める重要性を強調している。(山口暢彦、西村利也)