「支配層とつるむ不誠実なやつら」。投票前日の7日、トランプ氏は接戦の大票田5州で遊説し、マスコミをやり玉に挙げた。記者とけんかするのは本来ならご法度だが、「クリントン氏が世論を操作している」というメッセージを上手に伝えた形だ。
「タブーなき本音主義」も特性だ。暴言に加え、自己顕示欲や金銭欲といった欲望に正直で、演説は自慢話ばかり。有権者はこれを「正直」だと受け取った。
トランプ氏の不動産会社が運営する傘下企業は、過去に4回破綻した。だが有権者は、「やりたいことをやってだめでも、不死鳥のようによみがえるトランプ氏の経歴は、今の米国に必要」(運送業のアンソニー・カムパニャさん)と判断した。単なる大衆迎合主義者にとどまらず、「体制」に対する不満票を取り込んだことが勝因といえる。(ニューヨーク 松浦肇)