トランプ氏との交渉、手ぐすね引く中国 日本は20世紀に描いた対中シナリオ捨てよ (4/4ページ)

 米国の対中政策に長年携わってきたマイケル・ピルズベリー氏(現ハドソン研究所の中国戦略センター所長)は、昨年出版した「China 2049」のなかで、「米国は中国の国家戦略の根底にある意図を見抜くことはできず、騙され続けてきた」と率直に語った。ピルズベリー氏は49年の世界秩序に、中国語の成語「反客為主」を挙げて危機感を示した。主客転倒ないし、本末転倒をさす。

 ピルズベリー氏が注目した49年は、共産党が中華人民共和国を1949年に北京で成立させて100年を迎える年だ。その節目をゴールに中国は20世紀の発想をはるかに超えるスピードで「覇権」を求めていくだろう。日本はいまこそ20世紀に描いたシナリオと完全に決別せねばならない。(上海)