新興国通貨安が経済に逆風 円安株高続く日本にも下押しリスク (1/2ページ)


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 米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したことを受け、米ドルの独歩高が続いている。新興国に流入していた資金が、トランプ氏の経済政策への期待感から米国へ環流しているためだ。新興国からの資金流出が続けば、自国の通貨安に伴う輸入物価の上昇やドル建て債務の負担増が新興国の景気を冷やし、円安株高の流れが続く日本経済の下押しリスクにもなりかねない。

 通貨安が目立つのがメキシコだ。通貨のペソは、トランプ氏の勝利を受け、対ドルで10%以上も急落した。メキシコの中央銀行は17日、政策金利を0.50%引き上げてペソ安を抑えようとしたが収まらず、1ドル=20ペソ台の最安値圏で推移している。

 ブラジルのレアルとマレーシアのリンギットもそれぞれ約6%下落。中国の人民元も21日の上海外国為替市場で一時、約8年5カ月ぶりの安値を付けた。

 SMBC日興証券の平山広太氏は「通貨安が続けば、輸入物価上昇に伴うインフレの加速や利上げに追い込まれ、新興国の景気が悪化する」と指摘する。

 本来、通貨安は輸出の増加につながるが、トランプ氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの脱退など保護主義的な通商政策を掲げている。米国への輸出が増える見通しが立たなくなり、輸出の依存度が高い新興国には逆風だ。新興国では、通貨安、債券安に株安も加わる“トリプル安”の様相を呈している。

 通貨安と債券安は先進国にも波及している。足元の円相場は1ドル=111円台まで円安が進んでいる。9日に一時、1ドル=101円台の円高水準を付けてから、約2週間で10円近くも急速に円が売られた。

ただ、日本では円安進行で株価は上昇