足元では円安が進んでいるものの、「29年度に税収が伸びるかは見通せない」(財務省幹部)状況だ。
安倍政権は新規国債発行額を4年連続で減らし、28年度当初予算では34兆4320億円にとどめた。だが、29年度の税収が低迷すれば、それをカバーするための国債を増発し、政権で初めて当初予算ベースで前年度の発行額を上回る恐れがある。
国債発行が増えると、財政再建の取り組みが遅れかねない。財政の持続可能性を確保することは、社会保障などの制度を安定させ、国民や企業の消費や投資を活性化させることにつながる。それだけに、歳出は必要なものに絞り込み、財政規律との両立を図ることが欠かせない。(中村智隆)