ただ、安倍晋三首相が期待する「成長戦略の目玉」になるかどうかは未知数だ。国の管理による民間運営というIR整備のスキームがうまく機能しなければ、「中国人観光客の減少で存亡の危機にある」(共産党の島津幸広議員)韓国のカジノと同じ運命をたどりかねない。
カジノ導入をめぐる議論には、過剰な経済成長論も過度のアレルギーも不要だ。自民党は今国会での成立を目指すが、民進党は「慎重な審議」を譲らない姿勢だ。
ならば推進派は「具体策は実施法で」と先送りせずに、総合的なギャンブル依存症対策や最先端の犯罪防止策など、反対派を納得させられるビジョンを示すべきだろう。