トランプ次期米大統領でドル高?貿易赤字悪化? 「レーガノミクス」再現におびえる向きも (2/2ページ)

 SMBC日興証券の牧野潤一氏は「積極財政と金融引き締めの組み合わせはトランプノミクスも同じだ。ドル高や貿易赤字の悪化という帰結が想定できる」と警戒する。

 その場合に考えられるドル高修正の有力な手立ては当局の「口先介入」だ。あるエコノミストは「トランプ氏の為替水準に対する考え方を知るため、ツイッターにくぎ付けになっている市場関係者もいる」と打ち明ける。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「2018年以降にドル高修正が起きる」と予測。同年2月には、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が任期を迎える。河野氏は「(FRBが新議長の下で)ドル高修正と拡張財政を支える金融緩和に踏み切れば、スタグフレーションが起きる可能性がある」と話す。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)脱退を明言するトランプ氏は、保護貿易でドル高の不利さを無理やり覆す恐れもある。

 一方、日本の金融機関にとってトランプノミクスは商機となりそうだ。金利上昇で利ざや(貸出金利と預金金利の差)を稼ぎやすくなり、米国内ではインフラ投融資の機会が増えると見込まれるためだ。マネックス証券は、インフラ投融資で2%程度の利ざやが取れた場合、3メガバンク合計で1460億円の増益になると試算した。