今度はアシアナ機で副操縦士同士が殴り合い 安全性問われる韓国航空業界 (1/4ページ)

事故を起こし広島空港で駐機したままのアシアナ航空の旅客機=平成27年4月15日午前、広島県三原市(安元雄太撮影)
事故を起こし広島空港で駐機したままのアシアナ航空の旅客機=平成27年4月15日午前、広島県三原市(安元雄太撮影)【拡大】

  • 広島空港で着陸直後に滑走路から外れて停止したアシアナ航空機=平成27年4月15日未明、広島県三原市(安元雄太撮影)

 今月2日、韓国・仁川国際空港から米ニューヨークに向けて離陸する前のアシアナ航空機内で副操縦士同士による乱闘が起き、出発が大幅に遅れた。アシアナをめぐっては、昨年4月に広島空港で起こした着陸失敗事故で、日本の運輸安全委員会が、霧で視界が悪く着陸をやり直す必要があったのに、機長の判断が遅れたことが原因とする調査報告書を公表したばかり。アシアナだけでない。今年5月には、羽田空港を離陸しようとした大韓航空機から出火した。一方で韓国の国土交通部は10月の航空旅客数が前年同月比約10%増だったと明かし、訪韓客の大幅アップに色めき立つ。だが、その前にやるべきは空の安全を確保ではないか。

なぜ乱闘起こした副操縦士を乗務させる?

 韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)などによると、仁川空港からニューヨークに向けて離陸する前のアシアナ航空機内で12月2日午前、副操縦士同士による乱闘が起き、出発が44分遅れるという事態が起きていたという。

 報道によれば、副操縦士2人は同期入社の40代前半で、機内で運航の準備をしていた。長距離路線のニューヨーク便では、機長と副操縦士が1人ずつ組み、2組が交代で操縦桿(かん)を握るルールになっている。

 乱闘騒ぎを起こした2人は普段は仲が良かったというが、この日はささいなことで言い争いになり、殴り合いのけんかになったという。乱闘は20分ほど続き、空港警察が駆けつけけんかをやめさせた。

 その結果、1人は病院に運ばれたが、アシアナは、もう1人について精神状態が安定していると判断してそのまま業務に当たらせたという。

精神状態は本当に安定していたのか?