日銀が14日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が前回の9月調査から4ポイント上昇のプラス10となり、6四半期(1年半)ぶりに改善した。最近の円安や海外経済の持ち直しで、輸出企業を中心に企業心理が上向いた。
一方、先行きはトランプ次期米大統領の具体的な政策が不明確なため、中小企業を含めて軒並み悪化した。企業は慎重姿勢を崩していない。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で「景気は緩やかな回復基調にあるが先行きには慎重な見方もある。今後の動向を注視する」と述べた。最近の大企業非製造業の景況感は前回から横ばいのプラス18。個人消費が伸び悩んで小売りが4ポイント悪化したが建設は改善。中小企業の全産業は2ポイント上昇のプラス2だった。
製造業では中国向けの輸出が堅調な汎用(はんよう)機械や電気機械に加え、原油価格の上昇で石油・石炭製品などの改善が目立った。