
大勢の客でごった返すベトナムの大型スーパー「ビッグC」(同社提供写真)【拡大】
ベトナム市場の急成長を受け、タイの小売業者が販売攻勢を強めている。代表例が、「タイの百貨店王」で知られる巨大財閥セントラルグループだ。14年頃から本格進出を開始、今年4月には現地の大型スーパー「ビッグC」を経営母体の仏流通大手カジノ・グループから10億ユーロ(当時のレートで約1220億円)で買収した。セントラルグループ傘下の事務用品販売「オフィスメート」やコンビニエンスストア「ファミリーマート」と合わせ、ベトナム市場で事業を多角的に展開していく考えだ。
セントラルグループとタイで競合する新興財閥TCCグループもベトナムでの市場攻勢に打って出ている。独流通大手メトロ・グループがベトナムで展開していた卸売りチェーン「メトロ・キャッシュ&キャリー」を6億5000万ユーロで買収し、現地コンビニ事業などのてこ入れに乗り出した。
これらの買収劇により、ベトナム小売市場でセントラルとTCCを合わせたシェアは50%を超えた。ベトナム人の台所や暮らしをタイの企業が支える構図が鮮明となった。
◆他業界も支援
タイ企業のベトナム投資拡大は、食料品や生活日用品にとどまらない。タイで大規模工業団地を経営するアマタ・コーポレーションは、ベトナムで3カ所目となる外国企業向け工業団地を首都ハノイに近い北部クアンニン省ホンゲイ市に建設することを決めた。向こう10年余りで15億ドルを投資するとしている。
また、タイで賃貸倉庫や工業団地を展開するWHAコーポレーションもベトナムで16平方キロメートルの土地を確保、1期工事だけで10億バーツ(約33億円)を投入し、工業団地を建設する計画だ。