
米国立太平洋記念墓地で献花する安倍首相=26日、米ハワイ・ホノルル(代表撮影・共同)【拡大】
バイデンはこの2週間前、安倍に「韓国の朴槿恵大統領に『安倍は靖国に参拝しないと思う』と言っておいた。不参拝を表明すれば日韓首脳会談に応じるのではないか」と電話をかけていた。それだけに「裏切られた」と思ったようだが、安倍はもっと激怒し、周囲にこうぶちまけた。
「同盟国である米国が中国と一緒になって靖国参拝を批判するとはどういうことだ。中国を利するだけじゃないか。オバマ政権に戦略性がないことがはっきりした!」
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この指摘通り、米政府の反応は中韓両国を喜ばせ、欧米での歴史問題に関する対日批判をますます強めた。その裏で中国は東シナ海や南シナ海での覇権拡大を着々と進めていた。
11月23日には、沖縄・尖閣諸島上空を含む防空識別圏(ADIZ)設定を強行した。さらに武力による防衛的緊急措置を示唆し、圏内を飛行する航空機に事前報告を求めた。
安倍は「中国の領空であるかのごときだ。全く受け止めることはできない」と強く反発したが、米側は取り立てて問題視しなかった。大統領補佐官(安全保障担当)のスーザン・ライスは米中両国の「新大国関係」構築になお意欲を示し、尖閣諸島に関し「米国は主権の問題には立場を取らない」と発言した。