財務省は16日、財政制度等審議会の国有財産分科会を開き、国が保有する日本郵政株式の追加売却に向けて主幹事証券会社の選定手続きに入ることを決めた。株価の動向を見極めた上で7月以降に売却する。2017年度特別会計予算案では郵政株の売却収入として上場時と同規模の1兆4000億円を計上しており、売却規模は1兆円を超える可能性がある。
16日の会合では、株式売却の実務を担う主幹事証券会社の選定基準を決めた。これまでの実績や販売戦略などを踏まえ、国内外の計6社程度の証券会社を選ぶ考えで、3月中に決定する。
政府は22年度までに日本郵政株を数回に分けて売り出し、東日本大震災の復興財源に充てる4兆円程度をひねり出す計画。
政府は15年11月の上場に伴い郵政株を売却し、総額1兆4000億円の収入を得たが、現在も発行済み株式の80.49%を保有している。
郵政民営化法は保有比率を3分の1超とするよう定めており、残りは売却できる。17年度の国債整理基金特別会計の予算案では、売却収入を計上している。
16日の東京株式市場では郵政株は大きく下落して終値は1408円となり、上場時の売り出し価格(1400円)とほぼ同水準となった。実際の売り出し規模や時期は、市場動向を見ながら慎重に判断する考えだ。