
経済財政諮問会議に臨む(左から)石原伸晃経済再生担当相、安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相=25日午後、首相官邸【拡大】
政府の経済財政諮問会議が25日開かれ、内閣府は、2020年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字額が8兆3000億円、対国内総生産(GDP)比で1.4%に達するとの「中長期の経済財政に関する試算」を示した。赤字幅は、昨年7月時点の試算値5兆5000億円より、3兆円近く拡大。円高による企業収益の低迷で税収の見積もりが悪化するなどした。政府は20年度にPB黒字化を目指す財政健全化目標を掲げているが、達成は一層難しい状況となった。
PBは、公共事業費、社会保障費といった政策経費を、借金に頼らず、どれだけ税収でまかなえているかを示す指標で、財政の健全性をはかる目安となっている。政府は「国際公約」として20年度にPBを黒字化する目標を設定。中間目標として18年度にPBの赤字をGDP比1%程度まで抑えるとしている。
25日示された試算は、毎年の経済成長率を「名目3%、実質2%」とする高い成長率のもとで実施した。それによると16年度のPB赤字額は13兆8000億円、対GDP比は2.4%。昨年7月時点で示していた赤字額10兆5000億円、対GDP比1.9%から悪化する。