中国で「2.5次元劇」が若者に人気 日本漫画・アニメを舞台化 (1/2ページ)

 日本の漫画やアニメが普及し「宅男・宅女」と訳されるオタクの文化が根付きつつある中国で、日本漫画を原作とした「2.5次元」と呼ばれる舞台劇が若者の間で人気だ。漫画やアニメの海賊版が蔓延(まんえん)する中国では、コンテンツ輸出で安定的に収益を上げるのは困難。劇場で鑑賞する2.5次元はコピーできないため、「収益確保の道が開ける」と期待が高まっている。

 「今日の公演で4回目だけど、毎回、感動しています。明日もまた来ます」。人気忍者漫画「NARUTO-ナルト-」を原作とする舞台劇を湖北省武漢から上海に見にきた女性会社員、李暁●さん(23)は声を弾ませた。チケット代や交通費で月収の2倍に相当する総額約1万2000元(約19万8200円)を費やした。公演後に日本人俳優と写真を撮影できる権利が付くVIP席は1080元と高額だが、趣味で金に糸目を付けるつもりはない。

 2.5次元とは、俳優が演じる3次元の舞台で、2次元の漫画やゲームの世界を再現するという意味の造語。近年、日本などで盛り上がりをみせ、ナルトのほか、ネットゲーム「刀剣乱舞」や漫画「テニスの王子様」を原作とする作品が有名だ。

 日本2.5次元ミュージカル協会によると、海外進出が本格化したのは2015年で、北京や上海、広東省深センで漫画「黒執事」の2.5次元公演があった。ナルトは16年末までに中国の6都市で公演を行い、ほぼ満席だった。

中国の公演では日本人の俳優が日本語で演じる