
トランプ米大統領(AP)【拡大】
参院予算委員会は31日、税収見積もりの下方修正を盛り込んだ2016年度第3次補正予算案を自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決した。その後、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。与野党は31日の衆院予算委の理事懇談会で2月1、2両日に首相と全閣僚が出席して17年度予算案に関する基本的質疑を行うことで合意した。本予算をめぐる与野党の論戦が本格化する。
補正予算案の追加歳出は6225億円で、災害対策や防衛費などに充てる。16年度の税収見積もりを1兆7440億円引き下げ、1兆7512億円の赤字国債を追加発行した。
税収の減額補正はリーマン・ショックの余波が続いていた09年度以来、7年ぶりとなった。
ただ、円安株高の「トランプ相場」を受け、想定ほど税収が減らなければ国債で調達した資金は余る可能性があり、17年度の補正予算の財源に回るとの観測も出ている。
政府は16年度当初予算の税収を57.6兆円と見込んでいたが、円高で企業業績が低迷し、年度前半に税収が伸び悩んだため、3次補正で税収見積もりを下方修正した。しかし、昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利したのを機に円安が進行。企業業績の改善が見込まれるようになり、麻生太郎財務相は31日の記者会見で「税収が大きく変わってくる」と述べた。