
ホワイトハウスで製薬会社幹部と会談するトランプ米大統領(左)=1月31日(共同)【拡大】
日本の為替政策をめぐり、トランプ米大統領が円相場を安値に誘導していると批判した。1月31日、ホワイトハウスで開かれた製薬業界の代表者らとの会合で、「日本や中国は市場をもてあそび、通貨を切り下げている」と発言。米大統領が主要な貿易相手国の為替政策を批判するのは異例だ。日本政府は「円安誘導は行っていない」などと反論したが、基軸通貨のドルを抱える米国があからさまにドル安誘導を行えば、従来の国際協調を形骸化させ“通貨安競争”を引き起こす懸念もある。
「(円安誘導の)批判は当たらない。必要があれば説明する」。安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会でこう話し、10日の日米首脳会談で取り上げる可能性に言及した。政府は2011年11月を最後に市場介入を行っておらず、浅川雅嗣財務官は「ドル円相場は市場で決まっており、操作しているわけではない」と強調した。
輸出産業に警戒感
日本の経済界でも、輸出産業を中心に業績悪化などへの警戒感が広がった。自動車大手の幹部はトランプ氏の言動について「どう収益に関わってくるのか現時点ではよく分からないが、円高が進むと厳しい」と指摘した。鉄鋼大手の関係者は「自動車など輸出企業の活動が鈍れば鉄鋼需要が落ち込んでしまう」と懸念を示した。