旭硝子はメキシコ中部で約50億円をかけ自動車用ガラスの新工場を建設し、16年4月に本格生産を始めたばかり。「自動車メーカーの姿勢が変わるとは考えていない」(島村琢哉社長)と必要に応じて生産を拡大する方針だが、取引先の動向に神経をとがらせる。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の試算では、米国の関税が6%以上だと現地生産のメリットが失われる。トランプ氏は海外移転した企業の製品に35%の関税を課すとしており、進出企業の大きな懸念材料になる。
しかし、米国は乗用車の関税を2.5%超にすれば世界貿易機関(WTO)協定違反で訴えられるため、最終的に断念するとの見方もある。
「巨額の投資が必要な生産拠点を安易には動かせない」(経済官庁幹部)とあって、各社は交渉の行方を固唾をのんで見守っている。