さらに、三六協定の例外となっている建設作業員やトラック運転手については、猶予期間を設けて、他の業務と同様の残業上限規制をかける。研究・開発者は裁量労働制に移行させる方向だが、裁量労働制でも、労使で設定するみなし労働時間に他の業務と同じ上限時間を設定する。
経団連「妥当な水準」
14日の実現会議では、繁忙期の残業上限が大きな焦点となる見通しだ。「過労死ライン」の範囲内での一時的な残業を認める政府方針に、経団連の榊原定征会長は1日の実現会議後、記者団に「妥当な水準の案」と評価する一方で、連合の神津里季生会長は「到底あり得ない」と批判した。
連合は平成25年の政府の規制改革会議の分科会で、年750時間の残業上限を提案したことがあるが、神津氏は1日の実現会議の中で「過労死基準(ライン)との距離感を明確にすべきだ」と述べ、繁忙期の残業上限を月100時間より引き下げるよう示唆した。
さらに、全国中小企業団体中央会の大村功作会長は1日の実現会議で「建設業や運転業務などの例外を本格的に見直すならば、十分な時間的余裕が必要」と主張。政府の規制改革推進会議の議長代理も務めるフューチャーの金丸恭文会長兼社長は働いた時間ではなく成果で賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」の創設を含む労基法改正案(国会で継続審議)とセットでの制度設計を求めた。
新たな残業上限設定に伴い、サービス残業や責任・権限のない「名ばかり管理職」、偽装請負が横行することも懸念されている。実現会議では、規制逃れを厳格に取り締まるため、労働基準監督署の監督指導の強化についても議論されることになりそうだ。