さて、結果を伴わない努力は無意味である、とさえ言いかねない気配を日本のメディアをみていると感じることがあるが、努力という言葉が精神性を表すがゆえに誤解が生じているとも思う。
つまりステップを踏む、またはプロセスを辿るのを強調することと、精神的な努力が時に混同されている。何事も結果が大事であると言えば言うほど、プロセスが軽視されてしまう
が、例えばアート作品で一番価値のあるのは、若い時の作品が何十年かを経て今の作品に至った過程を知ることだったりする。アーティストにとって作品集が貴重である所以でもある。
というわけで、先生に息子の勉強をみてくれている間、ぼくはあらゆることを考えはじめ、もとはといえば息子の数学の勉強のことだとふと我に返るほどであった。
まったく親自身が「わき見運転」をしているとまた反省する次第。苦笑。(安西洋之)
【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)
上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。