【高論卓説】まさに「電光石火の早業」 安倍総理訪米を手放しで評価する (2/3ページ)

2017.2.15 06:11

安倍首相とトランプ氏
安倍首相とトランプ氏【拡大】

 そもそも、もともと世界中が「ヒラリー・クリントン大統領」を想定していた中、ここまで短期間に路線変更して対応できたのは、かなりの早業である。企業・国家の経営の違いを問わず、あらかじめ「戦略を描く」のと同様に、新事態に機敏に対応することは死活的に重要だ。経営学では「柔道のメタファー」と言われるが、実際の戦略の巧拙は「受け身」をどう取るかで決まる。安倍内閣は、諸外国の政権と比べて、特にこうした「実務的動き」「機敏な危機管理」に優れていることは明らかだ。

 その最たる成果が、先述した「麻生-ペンス」ラインでの新しい経済対話枠組みの構築だ。わが国にとってのトランプ政権誕生に伴う最大の懸念が、日米2国間の通商交渉の再開、特に農業や自動車分野を中心とした圧力であることは論をまたない。悪名高き「スーパー301条」などを持ち出されて2国間で押し込まれ、何とかマルチの枠組み(WTOなど)に持ち込んだ歴史が脳裏をよぎる。ここに至っては、交渉自体からは逃げようがないが、新経済対話では、主に以下の3点で、この懸念が緩和される。

 (1)「経済対話」であり、安保は切り離す(「日本を防衛しない」というカードを極力切らせない)(2)国家通商会議トップのナヴァロ氏などの強硬派ではなく、トヨタ自動車などの米国での雇用創出に理解のあるインディアナ州知事でもあったペンス氏を対話のヘッドに引っ張り出す(3)通貨問題という先方の論点にも麻生氏であれば担当的にカバーできる(しかも、役者はペンス氏より麻生氏の方が恐らく上)-ことなどだ。

さすが…麻生氏を持ち出して有利な枠組みを成立

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