中国政府が2017年の実質経済成長率の目標を16年の「6.5~7%」から「6.5%前後」へ引き下げるとの見通しが強まっている。無理な経済対策を続ければ、不動産バブルの深刻化など景気を過熱させる懸念があることに対応するのが狙い。実際に引き下げれば3年連続となる。政府は3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代=国会)で17年の目標を公表する。
16年通年の成長率は6.7%だった。15年から0.2ポイント減速したものの、公共事業の拡大や金融緩和などで下支えし、足元では景気の持ち直し傾向が鮮明となっている。
一方で、景気刺激によって生じた資金が設備投資をはじめとした実体経済に向かわず、投機マネーとして不動産や債券市場に流れ込み、相場が不安定になる弊害が顕著になっている。政府は多少の景気減速を容認してでも、経済の安定を重視する。
政府に近い経済学者は「高成長時代を終え、(経済の実力を示す)潜在成長率自体が下がっている。短期の成長を追って過度な刺激策を取れば、長期的な弊害の方が大きくなる」と警告する。
中国政府系シンクタンクの国家情報センターは17年の成長率目標を6.5%前後に設定するよう提言。中国社会科学院は17年の成長率を6.5%前後と予想している。
政府は20年の国内総生産(GDP)を10年比で倍増させる目標を掲げている。達成のためには今後6.5%前後の成長を続ける必要があり、急激な減速は容認しない見通し。
中国の成長率目標は13、14の両年が7.5%、15年は7.0%だった。(北京 共同)