韓国銀行(中央銀行)がまとめた1月の消費者心理指数(基準値100)は93.3と3カ月連続で悪化した。リーマンショック後の09年3月(75)に次いで低い水準だ。
同様に大韓商工会議所が全国の製造業約2400社を対象に行った今年1~3月の景気先行指数は68となり、16年10~12月期から18ポイント悪化した。同指数が60台となるのは、国際通貨基金(IMF)による韓国救済がなされた通貨危機直後の1998年と、リーマンショック後に続き3度目だ。
こうした状況から、現代経済研究院は5日、韓国経済について「低成長・高物価基調に移行していく可能性がある。国内経済のスタグフレーション突入の恐れも排除できない」とする報告書をまとめた。
原油価格が上昇傾向にあり、昨年の台風被害などにより穀物など農畜産物価格も上昇した。さらにドル高による輸入品価格の値上がりなどを踏まえ、「悪いインフレ」とされるコストプッシュ型インフレが進むとの見立てだ。悪いインフレが進む中、国内景気の低迷や政治の停滞が続けば、物価上昇と景気後退が同時に発生するスタグフレーションの懸念も否定できない。