
乾燥させたノリに破れなどがないか調べる加工工場の従業員=1月、佐賀市【拡大】
◆設備投資が障壁に
全国漁業協同組合連合会によると、温暖化の影響とみられる不作や漁業者の高齢化を受け、ノリの国内生産量は減少傾向が続く。担当者は「値上がりはやむを得ないが、消費者に受け入れられるのか」と気をもむ。韓国や中国の安価な輸入品が増える中、「これ以上の価格高騰を抑えるには生産量維持が重要な課題」(関係者)という。
ノリは培養から加工までを漁業者が担うため、脱水機や乾燥機など機械一式をそろえるのに4000万~6000万円の設備投資が必要とされる。網の張り替えなど多人数での作業も多く、漁業者の一人は「船を持つだけでは漁ができない。人手と資金が必要だ」と指摘する。
佐賀の漁協は、一斉に種付けや収穫をして品質のばらつきを防ぐほか、病害リスク低減にも取り組む。担当者は「ノリ漁を長く続けられる環境整備が必要」とし、漁業者の負担軽減のため、約2億円を投じ共同で使える加工工場も33カ所に増設したほか、数世帯をまとめて船の燃料代を減らすといった知恵を絞る。東日本大震災に見舞われた東北地方の産地・宮城県では加工工場の8割以上が被災。宮城県漁協によると、現在の働き手は震災前の約6割の130人に減り、平均年齢は60歳代に達する。県漁協では加工工場を整備するなど支援に注力する。関係者は「それでも後継ぎ確保は困難な問題だ」と対応に苦慮している。