大型公共事業、被災地に影 復興前進も将来の維持費不安 公営住宅の空室多発も (1/2ページ)

2017.3.13 05:59

かさ上げ地で大型商業施設を中心とした町づくりが進む岩手県陸前高田市=2月
かさ上げ地で大型商業施設を中心とした町づくりが進む岩手県陸前高田市=2月【拡大】

 東日本大震災の津波被害に遭った沿岸部では、災害公営住宅や防潮堤、道路など復興に欠かせない大型公共事業が続いている。しかし被災市町村の大半は人口が少なく、財政力も弱い。インフラ整備が進むにつれ、自治体からは「将来、維持していけるのか」との不安が漏れ始めた。

自治体税収乏しく

 「復興需要は衰えない。町を一つ造っていますから」。津波で市街地が壊滅した岩手県陸前高田市。山を切り崩して造成した高台で、大手ゼネコン清水建設などでつくる共同企業体(JV)の渉外担当、佐々木信孝さん(66)が語った。

 津波被災地は、暮らし再建に不可欠な公共事業が莫大にある一方、自治体の税収は乏しい。このため国は補助金の配分などで手厚く支援する。財政規模は膨らみ、岩手県大槌町の2017年度当初の一般会計は約550億円と、震災前の約10倍。宮城県女川町は約9倍の約520億円だ。

 公共事業は本来、国と自治体がお金を出し合って実施するが、11~15年度は特例的に被災自治体の負担をゼロにした。16年度からは自治体も一部負担する仕組みに改められたものの、被災地への配慮で影響は最小限に。予算規模1兆円超の宮城県の負担額は、17年度で20億円程度だ。

 同県は震災前から、内陸部で24キロの道路を整備していた。陳情を繰り返してもなかなか国の補助金は出なかったが、震災後に状況は一変。復興に必要な事業だとして、国が費用を全額負担したことで20年度までに大部分が開通する見通しとなった。

地域経済の先行きを危ぶむ声

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