
長男に食事をさせる服部弥生さん=2月24日、東京都千代田区【拡大】
全国ベースで見ると、昨年4月時点の認可保育施設の定員数は入所希望者を上回っている。だが人口が流入する都市部などに保育の需要が集中。国の取り組みが進むとの期待もあり、想定を超えるペースで希望者が増えている側面もある。
福岡市のベッドタウン、福岡県春日市の担当者は「需要を測りづらい」と危機感を募らせる。
共同通信が84自治体を対象に実施した調査では、4割弱の30自治体が現時点で、認可保育所の整備実績が計画を下回っているとした。
保育士不足も課題
今年4月オープン予定だった6カ所すべて(定員計390人)の整備が遅れている沖縄県石垣市では、保育士不足が課題だ。県外からの移住者に渡航費50万円の支給を打ち出したが、担当者は「数人しか集まらない」と嘆く。東京都武蔵野市では1カ所の新設が中止に。近隣住民が送迎時の事故などを懸念して反対し、事業者が撤退した。
「肝心の保育事業者が見つからない」との声も多く、兵庫県加古川市では当初計画の35%にとどまる一因となった。担当者は「少子化が進む中で保育ニーズの高まりがどこまで続くか分からず、事業者も決断に時間がかかる」と分析する。
日本総研の池本美香主任研究員らの試算では、保育所の利用希望者は20年ごろまで増え、女性の就業率が高まれば40年まで増加傾向が続く。池本氏は「事業者の不安を解消するには国や自治体が中長期の見通しを示す必要があるが、需要に追い付こうとしても限界がある。在宅勤務や男女の育児休業取得の推進など、企業が取り組める余地は大きい」と語る。