
12日、週末も煙を上げる唐山市北部の製鉄所。設備にはさびが目立った(三塚聖平撮影)【拡大】
過剰に生産した鉄鋼を世界中に安値で輸出し、批判されている中国政府が、生産能力の削減を進めている。15日まで行われた全国人民代表大会(全人代=国会)では、初年度にあたる2016年に目標を上回る削減を達成したと強調。ただ、実際には老朽化で稼働停止中の設備など影響が少ないものから着手しており、対策は今年から正念場を迎える。(中国河北省唐山市 三塚聖平)
北京中心部から車で約2時間半の場所にある唐山市。省最大の重工業都市で、中国有数の鉄鋼産業の集積地だ。
市内東部の製鉄所では白い煙が立ちのぼり、砂ぼこりに混じって焦げたような臭いが鼻を突く。周囲はでこぼこ道が目立ち、寂れた雰囲気に包まれていた。
「製鉄所の状況が良くないから自分たちの稼ぎも良くない」。製鉄所近くの食堂で働いていた若い男性従業員はぶっきらぼうに語った。昼休み中の作業員は「仕事があるだけましだ」と言葉少なだった。
米国全体を上回る粗鋼生産量がある唐山市は、中国政府が進める鉄鋼の過剰生産能力削減の鍵を握る。昨年は市内で10超の高炉が削減されたと報じられた。市内には新しい大規模製鉄所もあるが、削減対象の老朽化した小型設備が目立つ。