
12日、週末も煙を上げる唐山市北部の製鉄所。設備にはさびが目立った(三塚聖平撮影)【拡大】
中国政府は2016年から5年間で粗鋼生産能力を1億~1億5千万トン削減する計画を進行中で、16年には4500万トンの目標を上回る6500万トン以上を削減。李克強首相も全人代で17年も5千万トン前後を削減するとの方針を示し、順調さをアピールした。
ただ、実際には今年から難しい局面に入る。昨年河北省で削減を行った鉄鋼会社のリストには、日本の大型高炉と比べて10分の1程度の容量のものが目立ち、「老朽化して以前から生産停止していた小規模のものが多い」(日本の鉄鋼大手幹部)との見方もある。さらに、一度削減済みにカウントされた高炉が再び稼働するケースもあるという。
丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリストは「今後は稼働中のものまで対象を広げなくてはならない。削減は難航するとみられ、取り組みは今年から本番を迎える」と指摘する。
また、国有企業が中心の鉄鋼会社は多数の雇用を抱え、抜本的な設備廃棄が進めば雇用問題が生じる可能性もある。秋に共産党大会を控える重要な局面で、習近平指導部が取り組みを完遂できるかは不透明だ。