こうした予測結果を踏まえ洪水ハザードマップを作成し、人口や土地利用をGIS(地理情報システム)によりデータ化したうえで、関係自治体による気候変動対策の検討が行われ、優先的に講ずる必要がある対策のリストが作成された。これらの対策の中で、宅地の植樹、透水性舗装などの流出緩和対策の実施により、被害人口が成り行きケースに比べ最大で20%減少すること、洪水のリスクが高い地域で開発規制や建築基準を強化することにより、被害人口をさらに減らせることが明らかにされた。なお、これらの検討には流域自治体から都市計画、農業、環境、防災担当職員約30人が参加し、シナリオごとのリスクを検討するとともに、結果を地図化する作業を行った。
◆持続可能な開発に貢献
流域自治体は、こうしたプロセスを経て総合的土地利用計画を改定し、さらに地域気候変動行動計画を策定した自治体もある。このような自治体関係者が参加する土地利用計画・管理プロジェクトの成果は、自治体が洪水被害軽減対策を立案する際に有用な情報として活用されている。そして、現在、同様のアプローチをラグナ湖の周辺支流域にも拡張しており、新たに参加する自治体の職員の研修用にガイドブックの作成が進められている。