また、ラグナ湖地域の持続可能な開発を主導するラグナ湖開発庁は、このプロジェクトの結果をラグナ湖流域開発マスタープランに反映させた。同庁は、シラン・サンタローサ支流域の統合的流域管理計画を策定するとともに、そこで得られた知見を他の支流域で活用することを検討している。さらに、フィリピン政府の気候変動政策の中心的機関である大統領府気候変動委員会もシラン・サンタローサ支流域の取り組みに注目し、そこで得られた経験や教訓の共有、事業の共同実施を通じて他の自治体の参考になることを期待している。
以上、紹介してきたように、洪水リスクを軽減するための参加型の土地利用計画・管理のアプローチは、これに関する研究、自治体などの関係者との協力、検討成果に関する情報の周知、関係者の研修などを通じ、気候変動の影響、災害リスクの軽減をはじめ、地域の持続可能な開発の実現に貢献できることが明らかとなった。
このパイロット・プロジェクトは、将来的に実施地域をラグナ湖流域全体に広げることが検討されており、その成果がさらに広い地域で活用され、持続可能な開発に貢献することを期待したい。
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【プロフィル】浜中裕徳
はまなか・ひろのり 東大工卒、1969年厚生省(現厚生労働省)入省。71年環境庁(現環境省)創設に伴い同庁に異動、地球環境審議官を経て退官。2007年4月から現職。72歳。東京都出身。