
ソウル市がHPで発表している「大気環境情報」。画面はPM2.5による地域別の汚染度を示している日本語版。「悪い」を示すオレンジが結構多い【拡大】
韓国ではマスクや空気清浄機の販売が好調なのだという。朝鮮日報によると、インターネット通販大手のオークションの話として、3月21日からの1週間で粒子状物質や黄砂を吸い込むことを防ぐ「黄砂マスク」が前年同期の5倍以上の売れ行きをみせている。
このほか、綿状のフィルターを鼻に直接差し込む「鼻マスク」というものの販売量が3倍近くに増加した。携帯して酸素を吸入できる「酸素缶」を買い求める人も増えており、酸素缶の販売量は前年同期の4倍以上に伸びたという。
PM2.5の余波は食品にも及んでいる。ブロッコリーやセリ、梨といった野菜や果物が「粒子状物質の排出、解毒に効果がある」とされて、販売が「49~107%増えた」という。
では、韓国の空を汚すPM2.5の原因は何か。
中央日報(日本語版)は、「韓国政府は昨年6月に粒子状物質総合対策を出したが、むしろ悪化した」と指摘する。また「政府やソウル市は環境基準の超過が繰り返されているにもかかわらず、農村不法焼却の取り締まりや工事現場のほこり取り締まりなど以外には『特別な』対策を打ち出せていない」と断じ、朴前大統領らの“失政”をここでも糾弾した。
しかし元凶は、日本の場合と同様、やはり中国にある。