ソウル市がHPで発表している「大気環境情報」。画面はPM2.5による地域別の汚染度を示している日本語版。「悪い」を示すオレンジが結構多い【拡大】
朝鮮日報は、PM2.5が今年になって特にひどくなっている原因について専門家の話を紹介。「(韓国)国内で排出されるPM2.5が大きく増加したことよりも、風や気圧配置などの気象要因が影響を及ぼしているようだ」、「中国からやって来る移動性高気圧が朝鮮半島周辺で停滞する期間が長引いている影響で、以前よりも大量に蓄積された可能性がある」、「3月15日に中国で全国人民代表大会(全人代)が終わると、中国では大都市にある工場が一斉に操業を再開するため、それによって北京などの大気汚染がひどくなることも一つの要因だろう」などとして、韓国に充満するPM2.5は多くが中国から来たものだとしている。
中央日報は、韓国環境省の分析として「中国から飛来したものが70~80%に達する」と報じた。
PM2.5は韓国からすればまさにトバッチリといえよう。「積極的な環境外交に乗り出し、中国に言うべきことは何でも言わなくてはならない」(中央日報)と主張したくなるのも当然だろう。
ところが、中韓関係は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を受けて悪化している。特に、中国側の韓国側への反発は嫌がらせといいたくなるほど執拗(しつよう)なもので、韓国のさまざまな分野に影響を及ぼしている。しかも、韓国の政治は完全に空白の状態だ。果たして中国と「積極的な環境外交」ができるのだろうか。