今村復興相更迭 震災「東北で良かった」 後任に吉野氏「『復興命』でやる」 (1/2ページ)

  • 吉野正芳氏

 今村雅弘復興相は26日午前、東日本大震災に関して不適切な発言をめぐり、首相官邸で安倍晋三首相に会い、辞表を提出し、受理された。今村氏には失言が相次いでおり、世論の反発を重く見た安倍首相による事実上の更迭。首相は後任に吉野正芳・衆院東日本大震災復興特別委員長を起用した。首相は記者団に「任命責任は私にある。被災地の皆さまに深くおわびしたい」と陳謝した。

 閣僚の辞任は、昨年8月発足の第3次安倍再改造内閣で初めて。平成24年発足の第2次安倍内閣以降では昨年1月の甘利明前経済再生担当相以来で5人目。

 今村氏は25日、所属する自民党二階派のパーティーで講演し、東日本大震災に関して「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な被害になった」と述べた。

 講演後、今村氏は記者団に「不適切な発言で皆さんを大変傷つけたことを深く反省し、おわび申し上げる」と謝罪した。パーティーに出席した首相は「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言だ」と不快感を示していた。今村氏は4日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者の帰還について「自己責任」との認識を示し、謝罪、撤回したばかりだった。

 民進党の蓮舫代表は党会合で「辞めて済む話ではない」と強調。野党4党は今村氏の議員辞職を求め、首相の任命責任をただすとして、衆院予算委員会の集中審議を求める方針で一致した。

吉野氏は福島5区選出、環境副大臣など歴任