【マネー講座】《外貨の活用》(3)〈外貨投資のメリットは?〉資産運用の方法として (4/4ページ)

 メリットの1点目で触れたように、円資産のみの運用に比べ資産の一部で外貨投資を実施することで、投資資産の選択肢が増えます。多様な投資ができるメリットを活かした分散投資の考え方を取り入れることで、さらにリスク抑制効果が得やすくなると考えられます。なお、日本の富裕層は資産保全や効率的な資産運用の観点から、平均して資産の30%程度を外貨で保有している方が多いという調査結果があります(Capgemini社による調査、2015年度版レポート)。

「外貨」について、少しずつ「土地勘」を広げてみませんか

 今回は、資産運用を行うにあたって外貨投資を実施する3つのメリットをお伝えしました。ただし、やみくもにいろいろな通貨に投資をすれば効果が得られるというものではありません。初めから理解できない通貨に飛びつくのではなく、まずはこれまで海外旅行で訪れたことのある国の通貨など、その国の人々や暮らしぶりがイメージできる通貨で小さい額から投資を行い、外貨に対する「土地勘」を少しずつ広げていくことをおすすめします。

 次回からは、いよいよ「外貨による分散投資」を行うための方法として、外貨建て商品の種類-外貨建て保険、外貨預金、外貨仕組み預金、そして、外貨建て投信など-について紹介していきます。

(※マネー講座は随時更新。次回も「外貨の活用」をテーマに掲載します)

【プロフィル】合澤史登(あいざわ・ふみと)

合澤史登(あいざわ・ふみと)SMBC信託銀行プロダクト統括部 ポートフォリオ・ソリューション室
ポートフォリオ・アナリスト
中央大学法学部法律学科卒業。国内系信託銀行でバックオフィス業務を担当した後、銀行・運用会社で約10年間に渡り運用関連業務に従事。この間、金利・為替のインターバンク・ディーリング及びバランス型ファンドの運用などを担当。2017年2月より現職。