米保守勢力の内紛深刻化 ヘリテージ財団の会長解任 トランプ政権への過度な接近が原因か? (1/2ページ)

2017.5.3 20:06

ヘリテージ財団のジム・デミント会長(AP)
ヘリテージ財団のジム・デミント会長(AP)【拡大】

 【ワシントン=黒瀬悦成】米保守系政策研究機関「ヘリテージ財団」の評議員会は2日、ジム・デミント会長を同日付で解任したと発表した。解任理由については「運営面での問題が深刻化し、内部の意思疎通と協力関係が破綻した」としているが、ロイター通信は消息筋の話として、デミント氏ら執行部がトランプ政権に過度に接近し、保守思想の根本理念から大きく逸脱したと見なされたことが原因だと報じた。

 財団によると、次の会長が決まるまで財団創設者のエド・フルナー前会長が暫定会長を務める。デミント氏の側近とされた複数の幹部も同日辞任した。

 サウスカロライナ州選出の上院議員だったデミント氏は2013年に財団の会長に就任。複数の米メディアによると、デミント氏は財団を従来の政策調査や学術研究の場にとどめず、現実政治への関与を強めて政治団体のような組織に変貌させたとして、内部で不満が高まっていたという。

 米国で最も影響力のある保守系民間機関の一つであるヘリテージ財団で起きた今回の内紛は、保守派の間でトランプ氏の大衆迎合主義的な政策運営を支えようとする勢力と、保守思想を尊重する立場からトランプ氏に反発する勢力の対立が深刻化しつつあることを示すものだ。

中間選挙に影落とす恐れも

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