「直ちに貿易戦争だ」 トランプ政権の対中タカ派怪気炎 中国は猛反発 (1/3ページ)

 米国のトランプ次期政権の対中経済政策が強硬化しそうだ。トランプ氏のブレーンにタカ派が続々集結。直ちに貿易戦争を促す過激発言も飛び出し、中国も反発を強めている。

 「遅かれ早かれ(中国との)貿易戦争が避けられないなら、すぐに片付け乗り越えたほうがいい」

 穏当ならざる発言の主は、米国でも指折りの著名投資家、カール・アイカーン氏だ。トランプ政権の特別顧問に就任することが決まっているアイカーン氏は、12月22日、CNBCテレビの取材に対し、中国との貿易戦争は不可避でやむなしとの認識を示した。

 もっともアイカーン氏の担当は専門の金融分野などの規制改革であり、冒頭の発言についても、「私が決める話ではないが」とことわってはいる。

 とはいえ、大統領選でトランプ氏が過激発言で批判にさらされていた頃、アイカーン氏は経済界でもいち早くトランプ氏支持を公言して“援護射撃”。恩を感じたトランプ氏が一時、財務長官起用を検討したと伝えられるほど信認は厚く、「経済政策運営全般に大きな影響力をもつ」米銀関係者)と指摘されている。

 アイカーン氏の中国批判は今に始まったことではない。2016年4月には、保有するアップル株のほとんどを売却したと発表したが、その理由について「中国政府がアップルの業務に干渉するのを懸念するから」とし、中国を「独裁国家だ」とこき下ろした。

 アイカーン氏だけではない。トランプ氏は通商交渉戦略について大統領にアドバイスする国家通商会議(NTC)を新設し、そのトップにカリフォルニア大教授のピーター・ナバロ氏を指名した。そのナバロ氏はこれまた経済学者の中で最もトランプ氏の信頼が厚いとされる人物で、大統領選期間中からトランプ氏の通商政策を立案してきた。

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