「直ちに貿易戦争だ」 トランプ政権の対中タカ派怪気炎 中国は猛反発 (2/3ページ)

 とくに対中通商政策の専門家として知られ、タカ派として通っている。その舌鋒は鋭く、中国を「補助金や通貨安誘導で対米輸出を不当に膨らませている」と批判。

「不正な貿易政策という武器を使って、米国の7万カ所の工場を閉鎖に追い込んだ」とたたく。

 トランプ氏は声明文で、「通商政策の顧問として重要な役割を担う」とナバロ氏に期待。さらにトランプ氏はNTCについて、経済のみならず安全保障面での助言も想定し、ナバロ氏も2011年に出版され映画にもなった「デス・バイ・チャイナ(中国による死)」で、中国のサイバーテロが米国の安保に深刻な打撃を与えていると強い警告を発した。

 トランプ氏が商務長官に指名した著名投資家のウィルバー・ロス氏や、トランプ氏に近い鉄鋼大手ニューコアのダン・ディミッコ元最高経営責任者(CEO)も対中強硬派で知られる。ロイター通信は「ロス氏やディミッコ氏はこれまで対中貿易戦争の最前線に立ってきた」と指摘した。

 トランプ氏自身が、大統領の就任初日に中国を為替操作国に認定すると明言。中国からの輸入品に高関税をかけ、米国の産業と雇用を守ると大統領選を通じて訴えてきた。

 一方で、対中強硬姿勢を露骨にみせるトランプ政権に対し、中国も警戒モードを高めている。国家発展改革委員会の幹部が12月、ある米自動車メーカーに独占禁止法違反で近く制裁金を科すと表明。しかも中国メディアの取材に答えるという異例の形で、「米国を強く牽制する意図が明らかだ」(国際金融機関幹部)と注目を集めた。

 これに対し、トランプ氏の政権移行チームも、トランプ氏が次期商務長官のロス氏と対応を協議することを明らかにし、米中間に険悪なムードが漂っている。

脅しは揺さぶり戦術?