韓国大統領選で当選した左派系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏(64)が10日、第19代大統領に就任した。今後の日韓関係への影響が注目されるが、投開票が行われた9日、在外投票を済ませるなどして大統領選の行方を見守った大阪の在日韓国人らからは、関係改善を求める声が相次いだ。
大阪市生野区でキムチ店を営む崔玉(チェ・オク)さん(62)は、「昔はいろいろあったが、もう時代が違う。日本に厳しい発言ばかりしていてはいけない。日本に住んでいる韓国人も、韓国に住んでいる日本人もいる。良好な関係を築かなくては」と話した。
北朝鮮との対話路線については「核実験やミサイルの発射を繰り返しており、今の北朝鮮は何を考えているか分からない。本当に対話ができるのか」と疑問を投げかけた。
韓国料理店で働く来日約30年の女性(52)は「大統領が辞任して、逮捕までされる異常な状態が続いていた。少しでも早く、元通りの韓国に立て直してほしい」と険しい表情だった。
一方、在外投票で一票を投じたという雑貨店勤務の李在赫(イ・ジェヒョク)さん(29)は、文在寅氏について「正直で嘘をつかない印象。日本に対しても厳しいことを言っているのではなく、しっかりと話し合いたいということだ」と述べ、期待感を示した。