
欧州連合(EU)と中国との首脳会談での調印式の前に会話を交わすドナルド・トゥスクEU議長(左)と李克強・中国首相。右はジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長=2日、ブリュッセル(AP)【拡大】
中国にとっては、米国の離脱発表が李克強首相の訪欧と時期が重なり、米国とは対照的に、欧州との関係緊密化を内外に印象づける絶好の機会になった。
中国人民大学・欧州連合(EU)研究センター主任の王義●(=木へんに危)(ぎき)教授は「中国と欧州にはグローバル化や多国間主義など共通の価値観が増えている。気候変動での協力は中欧関係の新たな原動力になる」と指摘する。
習政権が掲げる国家プロジェクト「一帯一路」も、中国と欧州を結ぶ広域経済圏構想だ。米欧関係がぎくしゃくしている間に、英仏独との政治・経済的関係を強化し、一帯一路への欧州主要国の取り込みも狙う。