中国ブランドは本当に実力がないのだろうか。そうともいえない。米国で発表された16年度「世界のブランド上位500」によると、国別ランキング1位は米国(227)で、2位は英国とフランス(41)、3位が日本(37)と続く。中国(36)は4位で、決して少なくない。
上位500の創業年数を見ても、平均が約94年で、中国ブランドは、貴州茅台が417年、青島ビールは113年、中国銀行が104年である。歴史と伝統という角度から見ても、中国ブランドは遜色ないといえる。
しかし中国人消費者は、やはり海外ブランドを選択する。
「日本で買う漢方薬は、混ざり物が少なくて、副作用もないと聞いている」「米国のビタミン剤やコラーゲンは質がいい」(「新聞1+1」)
中国人訪日旅行客がこぞって温水便座、炊飯器を購入する爆買い現象は、中国でも有名だ。中国にとっては資金流出でもある。「中国・杭州で製造している商品を何故わざわざ日本まで行って買うのか」と嘆く。
我々日本人も、中国ブランドは質・信用度などの点で、まだまだ日本製品に及ばないと考えている。しかし今後、イメージと実体が合致するようになれば、世界市場でとてつもない巨大ブランドとなることを、知っておく必要がある。(ノンフィクション作家・青樹明子)