しかし、基本計画決定直後のオイルショックやその後の経済情勢の変化に伴い国のインフラへの投資は鈍化。地元の要望も瀬戸大橋をはじめとする本四連絡橋や四国4県を8の字型に高速道路で結ぶ計画が優先され、新幹線の誘致活動は下火に。結果として約40年も塩漬け状態となった。
転機となったのは平成22年に始まった高速道路無料化実験。それまで高速道路の延伸に比例して鉄道収入が減少していたJR四国の経営を直撃し、財政状況が急速に悪化。このままでは四国の鉄道網が維持できない可能性があるとして、四国4県や地元財界が中心となり、今後の鉄道のあり方を議論する有識者会議を設置。そのなかで「鉄道網維持のためには早期の四国新幹線の実現が必要」との提言が行われた。
オール四国で機運醸成へ
平成26年に四国4県と四国経済連合会、四国商工会議所連合会などで組織する「四国の鉄道高速化連絡会」が発足。同年8月には財務省と国土交通省、12月には国土交通大臣、昨年10月には自民党本部など、関係機関への要望を繰り返し行っている。また各県は市民に新幹線への理解を深めてもらおうと、千人規模のシンポジウムを実施。
今年7月には4県の知事や四国経済連合会会長、商工会議所連合会会長などの経済団体のトップに加え、県・市・町・村の議長、市や町村会の会長、観光協会会長なども参加し、「四国新幹線整備促進期成会」(仮称)を設立する。まさに“オール四国”態勢を敷いて新幹線の実現に向け働きかける。