
経済フォーラムでロシアのオレシキン経済発展相と握手を交わす世耕弘成経産相=2日、ロシア・サンクトペテルブルク(黒川信雄撮影)【拡大】
日本政府が9月にロシア極東ウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」に焦点を置き、経済面の対露アプローチを強めている。世耕弘成経済産業相はロシアを繰り返し訪問し、地方都市の開発支援など日本の対露経済協力をアピール。首相の訪問が予定される同フォーラムに向け、協力実績を積み上げて首脳会談を後押ししたい考えだ。ただ焦点の領土問題では露側はかたくなな姿勢を鮮明にさせつつあり、先行きは見通せない。
「世界有数の経済フォーラムであるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに、日本の閣僚としてはじめて参加させていただいた」
6月2日、世耕経産相は露西部サンクトペテルブルクで開催された経済フォーラムに出席し、記者団にその意義を強調した。
◆経産相が連続訪露
だが、世耕氏の言葉とは裏腹に、サンクトペテルブルクの経済フォーラムは評価が低い。ロシアが新興経済国として台頭した2000年代、同フォーラムは世界経済の先行きを占う場として注目されたが、プーチン大統領の再登板以降、ロシア経済の大半は国営企業が占有。フォーラムも民間企業同士がビジネスを語る場ではなく、「政府と企業が話をする場」(露メディア)などと揶揄(やゆ)されるようになった。ウクライナ危機以降のロシア経済の低迷も相まって、開催の意義を疑問視する声は露国内でも強い。
しかし、世耕氏は4月にも露南部ボロネジを訪問。日本の経済協力の枠組みの中で、交通渋滞解消への日本技術の活用や、駅を中心とした市の再開発事業に日本の都市開発ノウハウが活用されると強調した。世耕氏は、7月に露中部で開催される産業見本市にも日本の企業団を率いて出席する方針とみられている。