
USTRのライトハイザー代表と握手を交わす世耕経産相=6月29日、ワシントン(代表撮影・共同)【拡大】
2015年の日豪EPA発効で豪州産の関税は段階的に軽減され、冷凍品では18年目にほぼ半減する。豪州産の対日輸出は16年度に年約27万8000トンで首位。米国産は約20万8000トンで2位だが、関税が維持されるため今後さらに不利になる。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効すれば16年目に9%まで下がるはずだっただけに、離脱したトランプ政権に対する生産者の視線は厳しい。米国は2国間交渉でTPP以上の譲歩を勝ち取り劣勢を挽回したいとみられる。
米国の圧力をはね返すため日本が注力するのが、巨大自由貿易協定(メガFTA)交渉だ。大詰めを迎えた日欧EPAや米国を除く11カ国でのTPP発効が実現すれば、合意内容が事実上の国際水準になるため、「米国がTPP以上の譲歩を求めた場合に牽制(けんせい)するカードになる」(通商筋)。
日米経済対話の交渉が今後本格化する中、特に大詰めを迎えた日欧EPA交渉を早期に妥結できるかが日米間の貿易摩擦を押さえ込むカギを握りそうだ。