
路線価が32年連続で日本一となった「鳩居堂」前=東京・銀座【拡大】
国税庁は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2017年分の路線価を発表した。全国約32万5000地点の標準宅地評価額の対前年変動率は全国平均で0.4%。2年連続プラスとなった。東京都内の最高路線価は、バブル期の影響を受けた1992年時点を上回り最高額を更新。大都市圏を中心に13都道府県では上昇し、2県は横ばい、32県が下落した。大都市圏と地方の二極化傾向が依然続いている。
地方の疲弊が目立つ一方、住宅需要や訪日外国人観光客のインバウンド需要の恩恵を受けた大都市圏を中心とする地域は伸びた。地方では政府の景気浮揚策が十分な効果を上げていないことがうかがえる結果となった。
都道府県の中で変動率の平均値が最も上昇したのは3.7%の宮城。仙台市で地下鉄東西線が開業し、沿線の開発が進んだ。これに東京(3.2%)、沖縄(同)が続いた。最も下がったのは秋田県の2.7%だった。
対前年変動率がプラスからマイナスに転じたのは昨年4月の地震で被害を受けた熊本県で、前年の0.1%からマイナス0.5%になった。
岩手、福島、神奈川、愛知の4県も前年より変動率が下がった。