しかし小池百合子知事の市場両立案は築地跡地を「食のテーマパーク」にする一方、豊洲を冷凍冷蔵・加工機能などを強化した「総合物流センター」と位置づけた。万葉倶楽部からみれば、千客万来と類似する施設が築地にできる可能性が出てきた。また、豊洲の「総合物流センター」化は計画の前提を変える恐れがあり、「撤退の可能性も含め検討せざるを得ない状況だ」(同社担当者)。
行政としての約束
千客万来施設の整備は、都が江東区に約束。都幹部は「法的拘束力があるものではないが、行政としての約束であり重いものだ」。撤退した場合、都は業者を改めて募集するなどの対応を行うことになるが、都庁内では事業者を見つけるのは難航するとの見方が広がる。
同区の山崎孝明区長は今月11日の記者会見で「同じような食のテーマパークが(築地にも)できたらどちらかがおかしくなる。そうならないよう要望していく」と述べ、築地再開発への懸念を表明。小池氏と連携する公明党のベテラン都議は「千客万来にマイナスの影響を与えない形の築地再開発の方向性を早急に示す必要がある」とし、早期の事態収拾を注文する。
顧問行政のひずみ
市場両立案をめぐっては万葉倶楽部だけでなく、築地の業界団体からも疑問の声が上がっている。こうした状況に、都幹部は「顧問行政のひずみが形になった」と指摘する。