豊田、稲田両氏の騒動が落ち着きつつある矢先に今度はダンスボーカルグループ「SPEED」のメンバーの今井絵理子参院議員=比例代表=と神戸市議の不倫疑惑が報じられた。今井氏の「一線は越えていません」という釈明はさまざまな臆測を呼んだ。
過去を振り返っても安倍政権は女性閣僚でつまずいたケースが少なくない。
平成18年9月発足の第1次安倍内閣は、相次ぐ閣僚の失言・不祥事で支持率が急落したが、とどめを刺したのは女性初の防衛相だった小池百合子東京都知事だった。事務次官人事をめぐるトラブルで就任1カ月余りで辞表をたたきつけ、首相はこの1カ月後に退陣を余儀なくされる。
24年12月からの第2次政権発足後は安定期が続いたものの26年9月の内閣改造でケチがついた。過去最多の女性閣僚5人を起用したが、松島みどり法相は「うちわ問題」で、小渕優子経済産業相が政治資金にからみ辞任した。首相の盟友だった中川昭一元財務相の妻で、農林水産政務官だった中川郁子氏も同僚議員との路上キスを週刊誌に報じられた。
なかなか政権を強力に支える女性の人材に巡り合えない首相。もっとも「最大の女難は首相夫人の昭恵氏だ」という指摘もある。