【ソーシャルレンディングを知る】(5)法律面と税制の課題 改善の余地も (2/4ページ)

▽借り手企業の詳細が見えない「匿名化」

 現在のところ、ソーシャルレンディングでは借り手企業(融資先)の詳細な情報が開示されていない。そのため、投資家は企業名が公開されていない状態で投資するファンドを選択しなければならない。 借り手企業の情報が明示された状態で、個人がソーシャルレンディング投資を行う行為は、実質的に、個人が無登録で貸金業を営んでいるのと同様の状態にあるというのが当局の見解だ。万一、借り手企業に延滞や貸し倒れが起こった際に、投資家が不法な取り立てを行う可能性も否定できない。それらを危惧する当局が事業者に対して融資先匿名化の指導を行っているというのが実態だ。

▽法制度の改訂も視野に

 一方で、匿名性によって別の懸念も生じている。先述した通り、ソーシャルレンディングでは最終的な借り手の情報がわからないため、投資家はソーシャルレンディング事業者を信じて投資するしかない。もし、事業者が悪意を持って匿名性を利用した場合、投資家にそれを避ける手立ては今のところ無い。ソーシャルレンディング業界の活況により、近年参入事業者は急増している。その流れに乗じて、今後、悪徳業者が参入してこないとは言い切れない。

税に関する課題

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