節目となる大会では、綱領にあたる「党規約前文」に総書記(国家主席)の思想・理論の指導性が明記される。「習近平思想」となるかはともかく、習近平氏の1期目の言いぶりがやはり無視できない。
2013年12月に習氏が掲げた「24字社会主義核心価値観」というお経のようなスローガンがある。具体性はゼロだが、そこはお経だけに習政権の目指す目標が国家、社会、個人の3レベルで示されている。
全文は省略するとして、経済と関わるのは「富強」「平等」「法治」「敬業(任務を大切に)」だろうか。習氏はトウ小平時代の市場経済路線を本音では評価しておらず、むしろ「腐敗」「貧富格差」を招いた負の側面に着目している。それは1期目の政策から判断できる。
「国進民退」と呼ばれた国有企業の優遇拡大、さらに最近の大企業に対する組織的な党の支配強化は、いずれもここで挙げた「核心価値観」を政策に落とし込んだ形だ。
党大会で習氏の権力集中がさらに進むことは確実だけに、習氏1強の下での中国経済は、市場性よりも、法令を駆使した統制色が強まると読める。
習氏は理想の支配者像を毛沢東に見ているかもしれない。だが、中国の金融・経済は世界の市場といまや抜き難くつながっている。そこに毛沢東スタイルを持ち込むと何が起きるのか。やはり党大会からは目が離せない。(産経新聞編集委員兼論説委員 山本秀也)