来年11月の中間選挙に向けて結果を出したいトランプ政権にとって、長期間の交渉が必要な日本とのFTA交渉をゼロから始めるより、既存協定の見直しで得点を稼ぐほうが現実的だとの読みもあった。
仮にFTA交渉が始まれば、日本は農業分野などで米国からTPPを上回る譲歩を迫られる恐れがある。北朝鮮問題の深刻化で安全保障の結びつきが一層強まるなか、日本は米国の要求をむげにできない状況だ。
ただ、2国間交渉を志向するトランプ政権の姿勢は従来と同じ。またFTAが合意文書に盛り込まれたわけでもなく、足元の状況はそれほど変わらない。関心が来日した際のトランプ氏の発言に移るなか、「経済対話は首脳会談でFTAの話を持ち出させないための仕込み」(政府関係者)との指摘もあり、日本の交渉力が問われそうだ。