
希望の党の両院議員懇談会で、頭を下げる小池百合子代表(左)=25日午後、東京・永田町の衆院第1議員会館(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
となれば、謝罪道的には以下のようになるのではないでしょうか。いや、「市場」「五輪」は名指ししない方がいいかもしれない……。そこは判断に悩むところではありますが、とりあえず言及する形で書いてみます。
〈記者の皆さん、本日は希望の党の両院議員懇談会にお越しいただきありがとうございます。この両院議員懇談会の場をお借りし、多くの方に私の考えをお話しします。ここにいらっしゃる議員の皆さんとは、党運営について一致団結すべく本日きっちりと議論を重ねたいと思います。
この度は希望の党に票を投じてくださった方々、比例の場合は1000万人もの方に票を投じていただきましたが、期待に応えられなかったことにお詫び申し上げます。そして都民の皆様には選挙期間中に『都政はこれで動いているのだろうか……』といった不安をもたらしてしまったことでしょう。それに対してもお詫び申し上げます。今回の結果は正面から受け止め、私は昨年291万2628人の方々から頂いた期待の声を裏切らぬよう、これから東京都知事としての職責をまっとうすべく全力を尽くしていきます。
希望の党の運営については、まだ選挙が終わったばかりですので、ここにいる仲間の皆さんとともにこれから決めていきます。「都民ファースト」を謳った私がその宣言をこの1カ月守らなかったように見えたことでしょう。これからの私の仕事で挽回させてください。皆様と共に素晴らしい東京を作っていきたいという気持ちは変わっておりません。
また、築地市場の移転問題については結論が先送りになっていること、関係者の皆様に大変申し訳なく思っております。より良い着地点を見つけていきます。また、五輪関係におきましては、着々と準備は進んでおります。しかしながら、新国立競技場の工事において、現場で働く男性が過労を原因に命を失うという痛ましい事態も発生しております。心よりご冥福をお祈りします。10月10日に新宿労働基準監督署が労災と認定しました。今後、五輪関連の現場での「働き方」についても改善できる方策を提示していく所存です。
この度の選挙については結果を真摯に受け止め、より良い東京・そしてその先にある日本を作るために働く決意を新たにしました。私にも至らぬ点が多々あり、本当に申し訳ありませんでした(深々と頭を下げる)〉
第4段落については慎重な文面が必要であるでしょうが、「謝罪する相手を見誤らない」といった観点からすればこうした挨拶も一つの案として検討しても良かったでしょう。また、案外重要なのが最後の「深々と頭を下げる」です。これがあることによって、記者団がフラッシュをパチパチパチと焚き、「謝罪している感」が増すのです。
この1年4カ月、小池氏は自民党のヒヒオヤジや利権まみれ風ガハハオヤジから虐げられている様を一般に見せ、その支持を高めてきたところがあります。「弱く見えれば見えるほど強くなる」という珍しい方ですので、フラッシュパチパチにしても「記者からいじめられている」といったイメージを若干作っても良かったのでは、と思います。
【プロフィル】中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。
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【ニッポンの謝罪道】はネットニュース編集者の中川淳一郎さんが、話題を呼んだ謝罪会見や企業の謝罪文などを「日本の謝罪道」に基づき評論するコラムです。更新は隔週水曜日。