米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げは日本経済にとって景気拡大、物価上昇の両面で追い風となる。日米金利差が拡大すれば、外国為替市場では高い金利のドルが買われ円が安くなる可能性が高く、輸出企業の業績改善につながるからだ。政府・日銀が期待する賃上げや設備投資に波及することも期待でき、2%の物価上昇目標にも弾みとなりそうだ。
FRBは今後も緩やかな追加利上げを進める方針で、日銀が長期金利を現行の「0%程度」に抑える政策を続ければ、金利差はさらに開く。日銀にとって「追加緩和に踏み切ったのと同じ効果」(アナリスト)が見込める。米金利が上昇すれば、日本の銀行、保険会社の米国債券運用利回りの改善も期待できる。
だが、FRBに続き、欧州中央銀行(ECB)も2018年から量的金融緩和策の縮小にかじを切る。緩和マネーが少なくなれば、金融市場のマイナス要因となる可能性があり、日本でも株安につながる恐れがある。
さらに、米利上げで米国へ投資する魅力が高まり、新興国から資金を引き揚げる動きも考えられる。この場合、新興国の成長が鈍化する恐れがあり、新興国に進出する日本企業の業績が落ち込みかねない。
日銀は20、21日の金融政策決定会合で、現行の金融緩和策を粘り強く続けて2%物価目標の達成を目指す方針だが、黒田東彦総裁ら日銀首脳からは、政策の微修正をにおわせる発言も出始めており、市場の関心が高まっている。(飯田耕司)